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 ランクGからは基本ギルド施設の利用が可能になるわ

「ありがとうございます。これで、ギルドランクGだね」「そうだね、やっとだよ」 リーナさんは手元で何か行った後、それぞれにギルドカードを返却してくれた。 ティアはティアで、ギルドランクが上がったのを満面の笑みで喜び、俺もつられて自然と笑みもこぼれる。 この二ヶ月間、目標としてきたものが達成できたのだ。喜んで悪いことはないはず。「さて、めでたくランクGに上がったお二人だけど、ここからまた新しい義務が生じます。まあ、待遇も良くなるんだけどね、少しだけ」 喜びに浸っていた所に、丁度良いタイミングで二コリと、美人の笑顔がこちらに向いた。ロンシャン トート
「それじゃ、まずはギルドに向かいましょうか」 「確認するほどのことでもないだろ?」「そうだね。んじゃまあ、いつまでもここで立ち止まっているのもアレだし、行こっか」 ティアはその綺麗な二つの瞳を優しく、伺うような表情で俺を見つめる。 そんなティアに、俺は小さく「うん」と頷き、町に入ったところの検問所からゆっくりと歩き始めた。 この町に来てもうニヶ月が経つ。 此処にたどり着いた当初とはガラリと変わり、あのボロ布一枚だった服装も、今では駆け出し少年冒険者のようだ。 特売で買った安物の皮鎧。背にはロングソードという安物なりにその働きを見せてくれている自分の今の得物。ヴィヴィアンウエストウッド
 リーナさんは俺たちに問いかけ、俺がコクンと頷く。 ティアもなんら変わりなく、頷いた。 未だ話の全容がよく理解できないのに疑問に思いながらも、俺はリーナさんの方へと視線を向ける。 それに気づいたのか、リーナさんはニコッと笑って「うん」と頷くと、説明を続けた。「まず一つは、期間中に、達成してもらう必要のある依頼の数。 これはランクGではそんなに多くは無いけれど、ランクが上がるにつれて微妙に多くなっていくし、達成してもらう依頼の難度も高くなっていくの。 それと期間なんだけど、一年……来年のまたこの日までに達成してもらえば、それでなんの問題もないの。 ただし、期限中に達成して貰えなかった場合は、始めの一ヶ月は警告……つまり、『依頼を早く達成してくださーい』って言うんだけど、それでも達成してもらえなかったら、ギルドからの強制登録停止とギルドからの一時追放。 つまり、一時的にギルド登録が出来なくなって、しかも依頼も出せないし、ギルド施設の使用を禁止されるの。まあ、そうならないようにするのが普通なんだけどね。だけど度が過ぎると、強制登録除名もありえるから気をつけるように。 まあ強制登録除名されるのはこれに限ったことじゃないんだけどね」 ……長い。そして難しい。 まあ、ようするに、 ・依頼を決められた分だけ達成する。 ・達成しないと大変なことになる。 ということぐらいか? まあギルドもこういう決まりを作らないと、依頼が溜まっていく一方だもんな。「二つ目は、ランクGから与えられる権利……というか特権の説明。 ランクGからは基本ギルド施設の利用が可能になるわ。まあ、ようするに、ギルド所有の宿泊施設だったりとか、訓練場だったり、魔法術書、魔物図鑑などの書物が見れるようになったりとか、共同浴場の利用だったりとか。様々なことが可能になるんだけど、一つ、覚えていてほしいことがあるの」 リーナさんは頬に人差し指を当て、俺たちに警戒心を与えないような、すごく優しさを感じる表情で言った。「それはそのギルドによって利用できるものが違うという事。例えば、ウチ、フェルレン支部では、宿泊施設はあるけれど、訓練場のような大きな施設はないわ。というか、そんな大きなモノを作る予算が本部から出ないのよね……金だけは腐るほど持ってるくせに」 というか、あの支部長が横領してるんだよね。――とても重大で大問題なようなことが聞こえたのは幻聴ではないと思う。 そう言ったときのリーナさんの顔が美しいのと共に、どこからかどす黒いオーラが見えた。 ……俺は何も聞いてない。うん、聞いてないぞ。 これは大人の世界だ。 そう思い込んで、何も聞いていないことにする。 ……それで合ってると思ってる。俺は。「それにまたあのエロ支部長が職員に手を出したのよね……あの支部長、本部に報告してやろうか? うーん、でもそれだとあのエロ支部長が――」「――すいません、続きしてもらってもいいですか?」 ティアがこれ以上話されると収まらないと判断したのか、続きを促した。 それにリーナさんが気づいたのか、軽く「コホン……」と咳払いをした。……それと同時に黒いオーラは消えた。もしくは消しただけかもしれないが。「……ごめんなさい。えっと、それでね、とりあえず使える施設が増えるんだけど、それは最低限の施設だけ。Gランクではね。もっと高ランクの冒険者――ランクAくらいになると、そりゃもう特別待遇よ。GランクとAランクじゃ天と地ほどのさがあるわ」「そんなにすごいんですか?」「ええそれはもう、ホントに。フェルレンにはないけど、高ランク冒険者専用の宿泊施設みたいなものもあるし、ギルドへ行けば、ランクに応じた金額で様々なことも出来るようになるの。まさに夢の生活ね」 そこまで言うか。そこまで。 そのリーナさんの言いっぷりに、俺だけでなく、ティアも驚いていた。――案外王城ではそういう生活をしていそうなものだが。「まあ、ランクGからは本格的な戦闘も視野に入れた依頼もいっぱい入ってくるから、ここからが冒険者稼業の分かれ道ね。このまま一流冒険者を目指すもよし、ほどほどに冒険者をして、本業に取り組むもよし、完全に冒険者から手を引くもよし。――あ、ギルド冒険者を辞めたいなら職員に声をかけてくれればいつでも受け付けるよ」 そう言って営業用とはまた違った、親しい笑みを浮かべるながら、用意していた依頼成功報酬の銀貨20枚を差し出してくれた。 初めの銀貨2枚と比べると、かなり大きな違いだ。「まあ、キミたちがどうするかはキミたち次第だからね。強制はしないわ。けっしてね」 お姉さんはニコニコとカウンターに両肘をつき、こっちを見る。 ……そこからはなんとなく逃げられないような雰囲気があった。――強制はしないって言ってたのに。 まあ、しばらくは冒険者を辞めることはないし、辞める必要も無い。 そう決めているため、無言の圧力を加えていたお姉さんにこれからしようとしていることをそんなに苦しまずに言えた。「俺たちは王都に行くんです。それが目標でGランクに上がったようなものですし、それのためだけにこの二ヶ月間やってきたんです」 少し恥ずかしく、目を逸らしてポリポリと頬を掻いた。 言う内容が、「冒険者を辞める」だとか言うと、こんな風には言えなかったと思う。 ……この無言の圧力で数多くの人を冒険者の道へと導いてきたんだろうなぁ。「あら、そうなの? それじゃあ安心ね。期待の支部最年少Gランク合格者は今後も冒険者を続けると。いや、良かったわ。うん、ホントに。それより、王都に行くって言ったわよね? なんならリストアップしてあげようか?良さそうな王都行きの依頼」「えっ? 良いんですか?」 ティアが思いもよらない提案に、少し驚いた風に言う。「いいわよ、仕事の合間にやっておくから。何も無いならいいけど、用事があるんなら気にせず行ってきてきなさい」「でも……」「いいのいいの。ほら、行っておいで! 用事が終わればギルドに来てくれればいいから!」  そうして、半ば押し切られるようにギルドを出た。 俺の心の中では、ティアからいつも貰っているような幸福な感覚が流れ込んできていた。 くすぐったいと思うくらいの小さな幸福。 その幸福は今までティアにしか感じたことは無かった。 不意に表情が緩みそうになる。あまりにだらしなくなりそうなので、ここは我慢。「ふふっ」「え、何? ティア? 俺なんかしたっけ?」 ティアが急にクスクスと俺を見て笑い始めた。 その様子は隣から見ている俺からも何故笑っているのか分からないほどに、楽しそうだった。「いや、幸せそうな顔しちゃってるなーって思っただけ」「えっ……?」 あれ、顔に出てた? 隠してたつもりだっただけど……。 ポワッと音が出そうな位に顔が熱くなる。「いや、それはだな、その……なんだ?」 あれやこれやと必死にティアに言おうとするが、うまく言葉が出てこない。「やっぱり、人の純粋な好意って嬉しいよね。なんというか、心があったかくなる感じというか」 心があったかくなる感じ……。 それは俺の中でも感じた一つの感情。 そうか、これが「好意」か。 ティアは心の中の一つの疑問の答えを教えてくれた。しかもそれは嫌なものじゃなく、逆に笑顔になれるようなもの。 下手をすれば、さっきのように、表情がだらしなくなりそうなので、俺は表情に出さない努力を極力頑張りつつ、そのまま歩き出したティアについていった。 ……だが、それでもティアには、この気持ちも気づかれているような気がした。http://www.gucci.comparereplica.com ティアがいたから、俺はあのクソ貴族の下から離れられて、こんな自由な思いをして、奴隷の時とは比べられないくらい清潔で便利な生活をして。 はたして、俺はこんなことを続けていて良いのだろうか? いつか、奴隷の生活に戻る時、耐えられるのだろうか――「――ガイア? どうしたの? もうすぐそこだよ?」「え? ああ、うん。ごめんごめん、ちょっとぼんやりしてた」「……大丈夫?」「心配ないって」 俺は歩きながらぼんやりするという、なんとも器用なことをしているように見えていたようだ。 隣に歩くティアはもちろん、当の俺も少し困惑している。マークバイマークジェイコブス バッグ ……いやいや、俺はそんな心配されるほどのことはしてないって。 俺は心の中だけでそう誤魔化しながら、先ほどまで考えていたことを頭の隅へと追い遣った。 目の前にはギルド、通い始めて早二ヶ月。 それなりに愛着は沸いていて、中に入るのも慣れたものだ。 中は相変わらず騒がしく、冒険者や商人、傭兵などの人たち特有の活気がある。 そんなギルドの中を、受付目指して一直線に歩く。「すいません、ちょっといいですか?」「はい、なんでしょ……なんだ、あなたたちね」 受付に着くと、俺が側にいたギルド職員の人に声をかける。 声をかけたギルド職員は、とても良く知っている人で、名前はリーナさん。ロンシャン トートバッグ
 ……気のせいか、他の人に向ける笑顔より自然だ。 そんなことを思っているのを気づいているのかいないのか、リーナさんは子供に言うように説明を始める。……ようにって言うか、まあ実際俺たちは子供なんだけども。「ランクGからは正式にギルド公認冒険者として認められます。キミたちにはまだ難しいかもしれないけれど、まあ説明するわ。分からなかったら聞いてちょうだいね。まず、ランクGになるとランクFの時は無かった義務を果たしてもらわないといけなくなるの。あ、ランクGっていうのは、F,G,E,D,C,B,A,S,SSの後ろから二番目のランクね。ここまでは良い?」ヴィヴィアン
 初めてギルドを利用したときから、もう二ヶ月もお世話になっている人で、とても整った容姿をしており、長い茶の髪と、キリッとした目。それに眼鏡が合わさり、言うなれば大人のお姉さん。とても美人だ。「もう帰ってきたの? まさか、本当に達成するとは思わなかったわ」「ええ、まあ。それなりに頑張りましたから」「ホントに? それじゃあ、私も早く仕事頑張らなくちゃね。それじゃ、ギルドカードを提示して下さい」 小さくウインクし、ふんだんに大人の余裕を見せつけられ、軽く「あはは……」と笑い、ギルドカードを渡した。「こんな男の子と女の子がランクGにあがるなんて。多分この支部では最年少だわ。……はい、ギルドカードを返却します」ヴィヴィアン時計
 奴隷は奴隷の衣服がある。 奴隷は奴隷の生活がある。 奴隷は奴隷の常識がある。 その後ティアは、何も言わずに立ち上がり、机の上のランプの火を消し、そのままベッドへ向かい、毛布に包まった。 そのときティアは、小さく「……おやすみ」と言ったが、俺はそのとき何も言えなかった。  それからだ。俺が常にこんなことを考え始めたのは。 俺は奴隷だ。それは変わらない。変えられない。 奴隷っていうのはこの国で、この世界で、最底辺に位置する身分。 本当はティアに対してこんな言葉遣いをしてはいけないし、する筈が無い。 だが、今の俺があるのは、全てはティアのおかげだ。ヴィヴィアン
 変わったのは装備だけじゃない。 この一変した状況で、簡単な文字や、親しく話せるようになるための練習など、色々なことをティアに教えてもらっていた。 一度俺は、ティアにあることを聞いたことがある。 そのときは丁度文字のことを教えてもらっているときだった。「奴隷の俺にこんなことをして平気なのか?」 って。 当然だ。もともと俺は奴隷。こうして親しく話している時点でかなりおかしい。 でもティアは、俺が聞いた瞬間に、明らかに表情を変えて俺に言った。「なぜガイアはそんなこと言うの? 信じられない」 声を荒げ、さっきまで優しかったティアの表情は、瞬く間に不機嫌なものになり、俺が今まで『常識』だと思っていたその価値観を、ティアはその瞬間、真正面から否定した。フェラガモ
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「……よし、入って良いぞ」「どうもありがとうございます」 「ございます」 検問に立っている俺たちが町に来たときとは打って変わって、マジメでキッチリしたおじさんが、簡単な持物検査をし、やっとのことで許可を出す。 ティアが礼をしたのを習って、俺もペコリと頭を下げる。 俺たちは此処最近活動拠点となっている町、フェルレンに戻ってきていた。 と言っても、たった今町の中へ入ったばかりであり、ようやく帰ってきたという感じだ。 太陽の位置は真上で、丁度昼時。多少小腹が空いている程度で、我慢できないほどではない。フェラガモ靴
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