標題:
が浮かんでいた
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作者:
rugftyjke
時間:
2014-7-14 11:56
標題:
が浮かんでいた
キースが火球の魔術を成功させた。 これは、ここ数年における村の子供の中で、間違いなく一番の快挙だったという。 火球自体は魔術教本で初級に分類されるくらいなので、決して難易度が高いわけじゃない。 とはいっても、戦闘用ではない生活魔術(一般人向け)の、さらにその中でも初歩中の初歩である火種のそれと比べたら、必要となる魔力は十倍二十倍どころでは済まない。 さらにはこの村で育ったなら必ずついて回る『発音』という壁がある。 キースは努力と才能と運によってこの二つを見事乗り越え、数年ぶりの火球が使える子となったのだ。 まあ、日に三度は使えないらしいが。やけに少ない、というのはミレイさんの言。 もちろん俺だって努力だけなら負けていない。 ヒマがあればミレイさんに魔術教本を読んでもらって省魔力(エネ)で地味な生活魔術を覚えたり。 それらと火種の魔術とを比べて、指先から魔力の抜けるときの感覚が少し違うことに気がついたり。 そのきっかけのおかげか、今では火種を含めたいくつかの魔術を無詠唱で行使できるようになっている。http://www.familien-traum.com 戦闘用の魔術は切羽詰まった状況で撃ち間違えるわけにはいかないので、こういった小技もバカにはできない。ナイキ エアジョーダン 先人達の知恵である。 それはともかく、詠唱に沿った魔法陣(ルーン)がキースの手に浮かんだのを、俺は視た。
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「『火よ、球となり我が手の元で姿を顕せ』! ファイアボール!」 後ろに続いた呪文名は後々詠唱省略に使われるもので、たとえるなら自主的パブロフの犬(条件反射)だ。
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彼の隣では、ミレイさんが久しぶりに真剣な表情でそれを見つめていた。 俺とリリィは反対側の隣で、同じようにキースを見つめている。
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それだけじゃない。魔術講座に参加している子供全員が、キースを見ている。 主に期待した目で。 ふう、すう、と一呼吸置き、キースが呪文を詠唱する。
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雄叫びを上げた本人の周りで、俺達は力一杯拍手を贈った。 遠くにいた大人達も何が起きたのか理解したのか、農作業の手を止めて拍手をする。
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夏も近づいたある日のこと。「よし……!」 と言って手の平を天に向けたのはキースだった。
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後は行使するに足る、十分な魔力を注げれば――。「……よっ、しゃあ!」 キースの手には、火球(ファイアボール)が浮かんでいた。
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喝采に包まれた主役は、作り上げた火球を水路にぶち込んで消火すると、再び天に向かって喜びの声を上げた。
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