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作者:
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時間:
2014-7-1 11:17
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「どうしてぇ?」 少女が出会った頃から、人形みたいにほとんど表情の変わる事が無い白い相貌が、止め処なく流れ落ちる涙に濡れていた。今日一日で、もうじゅうぶん泣いたはずなのに。
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「好きなのに。ローズの赤い髪、好きなのに。どうして?」「殿下、さきほども申し上げたように――」
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「変(へん)装(そう)なんじゃあねぇですかい? 追っ手の目をごまかすための」「貴様っ?」 余計な事をと目を怒(いか)らせるクラウズェアに、そっぽを向いて口笛でごまかすジャック。事態が事態なので、誰も『口笛が吹けるんだ?』なんて疑問は持たない。
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「あの?」 とまどいながらも、されるがままのクラウズェア。 こめかみ、目(め)許(もと)、頬(ほお)、口(くち)元(もと)、そして首(くび)筋(すじ)。白い手がそっと触れていき、凜々(りり)しき少女の輪(りん)郭(かく)をなぞった。「うん。わかった」 そっと静かに囁(ささや)いた少年は、目を開けて眼前の少女を見た。「お解り頂けて良かったです」 そう、穏やかに微笑むクラウズェアに、王子はねだった。「ねぇ、ローズ? いらないのなら、その髪をぼくにちょうだい?」「この……髪を、ですか?」「うん」 戸惑う少女へ向けて、両手を差し出す少年。 思わず反射的に、白い掌に赤毛を載せてしまった。http://www.chloe.istanbulescorthatti.org「へんそう? ……ぼくのせい――」「違います!」 アルテミシアの呟きに、慌てて打ち消しの言葉をかぶせるクラウズェア。もう一度、ジャックを射殺さんばかりににらみつけた後、少し身を屈(かが)めて赤い目と目線を合わせる。クロエ バック「もともと切ろうと思っていたのです。重くてうっとうしいですし、剣術の稽古の邪魔にもなります。髪を洗うのも手間です。それは、殿下もお分かりでしょう?」
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「燃やしたらだめ!」「シア、じゃない、殿下」 狼(ろう)狽(ばい)しながらも言い直すクラウズェアを、赤く濡れた眼が見上げていた。
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だから、盲目だった少年は目を閉じて、年上の幼なじみの綺(き)麗(れい)な顔を、そっと両手で包み込んだ。
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精一杯の笑顔で、少年を説き伏せようと試みる。 アルテミシアは、『嘘だ』とも『そうか』とも言わなかった。ただ、いつも、いつだって優しかった幼なじみの、今日で初めて知った緑の目のまっすぐさを、確かめるように覗き込んだ。
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「殿下?」 そう問いかけるクラウズェアの表情から、考えを読む事などはできない。それは、アルテミシアが最も不得意な事だったからだ。
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