標題:
をくべる
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作者:
mjgipgtuy
時間:
2014-6-30 21:38
標題:
をくべる
http://www.marcmymarcjocobs.stella-project.com「ふくざつなんだね」「ええ、ごちゃごちゃしてやがりますね。そいで、そのごちゃっとした枝にまた星の数ほどの実がなってるんだそうです。一つとして同じ色の無い、たぁくさんの実が。その実も、林檎や苺みてぇなもんと言うより、光みてぇな実態が有るんだか無(ね)ぇんだかよう解らん……光って事は光子だから実態は有るよな? 有るのか? いんやそもそも、光だと断定されてる訳じゃねぇから、そこはいいのか。まあ、そういう得体の知れねぇ実の一つが、『この世界』なんだそうですぜ? ……マジでッッッ?」vivienne westwood 時計 説明した本人が驚いていた。「『世界』って、なぁに?」 この世界の人間は、〈世界〉という概念を知らない。名称とは、他の物と区別する必要が発生した時に生まれる。
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「水晶……って、宝石の?」「そうですそうです。くぅ~っ、白い肌が桜色に色付いて、あっしの煩(ぼん)悩(のう)の炎に薪(まき)をくべる! 自覚なく犯す罪こそ、最も重い罪だと知るべきですぜ! その球根から、四方八方に幹が伸びてるんです」
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「んー、編んだみてぇに重なり合っているんじゃなくて、ニュアンス的には水や光みてぇに混ざり合いながら重なってるようですぜ? 滝の水は、滝壺に落ちたら混ざっちまうでしょ? で、重なり合った部分は混ざってるんですが、交差した部分を過ぎるとまたそれぞれ枝が伸びてる」
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「幹が」「そう、幹です。無(む)量(りょう)無(む)数(すう)にあちこちに伸びた幹です。その幹にまた、無量無数の枝が生え、その枝々からまた数限りない小枝が四方八方に伸びていき、ある枝は一直線に伸び、ある枝は拗(ねじ)くれ、ある枝は他の枝に巻き付き、ある枝は他の枝と重なり合っている」
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「世界ってぇのはですねぇ、宇宙……宇宙の説明の方が難しいか? ちょいと待ってくださいよ? 混乱した頭を元に戻さねぇと」
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同じように、他の“世界”を知る、もしくは推測する方法が無ければ、“世界”などという発想や概念や名称は生まれないのだ。この世界の人々が認識しているのは、せいぜい『国』だ。
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林檎(りんご)という単語は、蜜(み)柑(かん)や苺(いちご)といった他の実と区別するためにあるのであって、この世に林檎一種類しか実が存在しなかったら、それは“実”とだけ言われていただろう。あるいは“あれ”とだけ言われていたかもしれない。
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「重なり合う……この手(て)提(さ)げ鞄(かばん)みたいに?」 洞窟入り口から回収してきた、弁当箱などを入れていた竹細工の鞄を指さす。
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