標題:
世界を危うくするぐらいなら
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作者:
fdusi2vbdt
時間:
2014-6-27 17:33
標題:
世界を危うくするぐらいなら
その二人とは違い、ダルクは、無理矢理に同行させられている身であり、最初は不承不承の態度が色濃かった。
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ダルクは、少女に繋がれた身だ。 自分を支配している相手を蔑む理由を見つけたとき、多くの人間は狂喜する。
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でも、それを「間違い」だと思うことは、それだけは少女はしたくなかった。恐らく、想像を絶する苦難の末に、祖先は自由を勝ち取ったはずだ。その勇気は、褒め称えられるべきだ。そのおかげで、彼女はこうして、自由の身でいられるのだから。それが過ちで、自由も、権利も求めず、屠殺される為に生かされ飼育される環境でいるべきだったというのなら。
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突然の、運命の選択
人族の出自が、家畜であったことは、まあいい。それが頸木(くびき)を脱して以後、繁殖を繰り返し、数多くの種族を滅ぼしてはその領土を奪い取り、ついには自らの創造主である魔族に挑戦状を叩きつける資格を得たほどに力をつけたことも、いいだろう。
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――だが、その結果、世界をも危うくしていることは、よくはない。 では、自分たちは、どうするべきだったのか。遥か昔、家畜の身に甘んじて、魔族の食卓に上っていれば良かったのか。ああそうだ、自分たちが家畜であった昔、どう遇されていたのかなど、少し想像力を働かせれば判るではないか。見事な実例が、豚小屋にいるのだから。
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そうして、それを理由に蔑み、反抗するものだ。 コリュウは、少女が知ったその場にいたから知ったが、気にしなかった。マーラは最初から知っていた。
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わざわざ言う必要もないことであるし、信頼関係が培われた後も、言わない、という選択肢を選んだのは、積極的理由がないことが、最大の理由だった。 真実を知って愕然としつつも、ダルクはなおも言葉を重ねた。「い、いまから五百年前のことなんて、関係ないだろう? そうだ、お前がいつも言っているように、より上を目指す克己の精神で人族はここまでになった。それは、素晴らしい事じゃないか!」http://www.diesel.stella-project.com ――何のために、自分たちは、生まれたのだろう。 ダルクに語らなかったのは、彼が半分とはいえ、人族の血を引いているからと、別に知らなくたって何も問題がないからである。ジョーダン1 また、純粋な人族である少女への蔑視と反発心が生まれるのではないか、そういう深刻な懸念もあった。
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そこから死に物狂いで這い上がった祖先の行動は、間違いであったのか。自分たちは、それに我慢していれば良かったのか。世界を危うくするぐらいなら。
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