標題:
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作者:
yufohtrys
時間:
2014-6-14 12:51
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「煉、ワシは焼栗が喰いたいぞ」「ワシは栗団子じゃ」「栗団子は旨いのう、煉、作ってけれ」 栗拾いについてきて、毬栗を頭に被ったり栗を投げ合ったりして遊んでいた物の怪達が口々に催促した。
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「いっぱい採れたな~」 背籠にどっさりと詰め込まれた弾けたイガ栗に煉が満足そうな顔をした。「兄者は栗が好きだからな。よし、今日は栗飯にしよう」 泪の喜ぶ顔を想像して煉の足取りも軽い。
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切り立った崖に追い詰められた雌狼が冷たく光る眼でじっと自分を囲む人間を見つめた。猟師達が一斉に矢をつがえ、狼にゆっくりと狙いを定めた。弓が放たれた瞬間、狼が足下の仔狼を咥え崖から跳んだ。
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「団子は粉がないから無理だけど、焼栗なら今出来るよ」http://www.thedogsschool.com「可哀相に、お前もおっかさんが死んじゃったんだね」震える仔狼に頬ずりしながら少女が囁いた。「怖かったね… でももう大丈夫。あたしがお前のおっかさんになってあげるから…」ディーゼル 時計 scene 1 晩秋。山奥の小さな集落を見下ろす岩山の頂きで、秋の山の色を映したかのように赤く見事な狼が目を閉じ、腹這いに休んでいた。風に乗って聴こえてきた集落の微かなざわめきに狼の耳がぴくりと動いた。数秒後、今度ははっきりと耳に響いた悲鳴に狼が目を開けた。狼が紅い眼を細めるようにして眼下に広がる光景を見つめた。村外れの田んぼの畦道で、棒を振りかざした男が何やら喚きながら子供を追いまわしていた。と、それを止めようとした女が男に突き飛ばされ、悲鳴を上げながら田んぼに転がった。突如狼の眼に不穏な炎が燃え上がった。喉の奥で低く唸ると岩を蹴って狼が走り出した。
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「おいで… 大丈夫、こわくないよ」 質素な身なりの少女が雨に濡れそぼった仔狼を抱き上げ、懐に入れた。
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狗神 (前編)
見ぬ人をただひたすらに想ひ草 寄りて待たまし逢へる秋こそ (万葉集) プロローグ「おったぞっ」「こっちだ!」「気を抜くなよ、奴はひどく頭が切れる」「なぁに、今日こそ逃がしゃしねぇ、奴は仔連れだ」
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***** 早朝。霧雨の中、谷川に沿った山道を通りかかった少女がふと足を止めた。何を聞きつけたのか、首を傾げて覗き込んだ道外れの藪の中に息絶えた大きな雌の狼をみつけ、少女が息を呑んだ。しかしその硬くなった骸の陰に隠れるようにして狼の仔が震えているのを見ると、地面にしゃがみ込み、そっと手を伸ばした。
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***** 早朝。朝霧の中、大きな籠を背負った煉が栗の大木の下で栗鼠の子と共に栗拾いに精を出していた。
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