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作者:
3456214suc
時間:
2014-6-10 18:53
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「デメトスでカイン皇帝と対峙した時、彼は“悲願”という言葉を使っていた。もし自分が戦場で斃れても、イリアが次の皇帝となって悲願を達成してくれるだろうと」
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「状況はわかった。それで今後の我々の行動はどうすればいいのだ?」「上陸可能になったら軍で借り上げた宿屋へ入っていただきます。そこで各地方からの情報を待っていただきます」
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イリアが息を飲むのがわかった。この話はしていなかったからだ。カインがイリアをグラナディラ帝国の次の皇帝として考えているなど、あまりにも大きすぎる問題だ。不用意に口にできるものではない。
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自分たちが帝国へ来るタイミングに合わせたような大規模粛正作戦。イリアはまだ見ぬ“兄”の考えがまったく読めなかった。「それは困ります。我々にはあまり時間が残されていません」「もちろん、それはよく存じております。ディオン殿」 デモンアイスはディオンへ微笑を向けた。「失礼ながら、貴国の状況は把握しております。エリュシオンでは何やら貴族たちが不穏な動きを始めているとか。それに先王妃ヘレン様の状態もあまりよろしくないようで」「そこまで知っているのか」 マルスは愕然とした。レイネンディア国民でさえ知らない国家機密が、他国の将軍に筒抜けだったのだ。 デモンアイスはそんなマルスへ首を振って見せた。http://www.crocs.shineboxpdx.com「はい。陛下はごく一部の信頼できる家臣にだけ作戦を説明され、密かに準備を進めていたのです。僕は打ち明けてくださった数少ない家臣の一人です」アバクロ ヴィアベルクを始め、帝国南部には大規模な奴隷売買を行っていた貴族が多い。そういった貴族は、有り余る資金と豊富な人材をふんだんに投入し、強力な私兵団を作り上げていた。
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それは憲兵レベルでは取り締まれないほど強力な武力だ。カインが公布後すばやく正規軍全軍を動かせたのは、事前にこういった各貴族私兵たちの動向や規模を詳細に調査していた成果だろう。
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第4話
「“悲願”…… か」 マルスは無意識のうちに呟いていた。デモンアイスが怪訝な表情で見ているのに気づき、マルスは苦笑した。
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ディオンもドルークも目を丸くしてイリアを見ていた。「余は始め、皇帝の言う“悲願”は麻薬の撤廃とイリアの皇帝就任のことだと思っていた。しかし違ったのだな」
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「それはどれくらいの期間になる?」「わかりません」 イリアは小さくため息をついた。つまりこれは体のいい“足止め”ではないか。
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