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しかも、相手はどこの馬の骨ともわからない人間なのだ
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作者:
nd789dtfabq
時間:
2014-6-10 13:11
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しかも、相手はどこの馬の骨ともわからない人間なのだ
「王様がスカウトなんてするのか?」 セツナは、素直に想ったことをぶつけてみた。すると、レオンガンドは、目をぱちくりとさせた。予想外の質問だったのかもしれない。セツナにしてみれば、当然の疑問を口にしたに過ぎない。驚かれるようなことを尋ねた覚えはない。
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「しないよ」 それは、そうだろう。 セツナは、レオンガンドのあっさりとした返答に満足した。至極当然の、納得のいく答えだった。一国の主たるものが、おいそれと動けるはずがない。しかも、相手はどこの馬の骨ともわからない人間なのだ。国王みずから逢いに行こうとすれば、周りの者たちが全力で制するはずである。
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「えーと、あんたは確か、ガンディアの王様、だったよな?」「うん。そうだよ。半年前に急逝された先王に代わり、このガンディアの国主を務めている。うつけとの評判だがね」
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「ガンディアは、あまりにも弱い。脆弱な兵士、惰弱な将、虚弱な文官、無能なものたち――英傑たる先王の存在がなければ、この国の領土は、片っ端から蹂躙され、食い尽くされていただろうね。歴史には、ガンディアという小国が存在した事実さえも残らなかったかもしれない」
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問いかけられて、セツナは、ただ疑問符を浮かべるだけだった。レオンガンドの言葉が、一々、要領を得ないのだ。言わんとしていることはわかる。それは理解できるのだが、しかし。
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深い愁いを帯びた声音は、朝焼けの空の下、滔々と流れるように紡がれていく。「先王は、その類まれなる叡智と驚くほどの行動力、有り余る豊富な資金を最大限に駆使して、国土を守り抜いた。わずかな領土を護り切ったんだ。けれど、それだけだ。領土を護るだけで、精一杯だった。王ひとりが死に物狂いで働いたところで、ごく少数の有能な部下たちが血と汗を流したところで、できることなど高が知れている」
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通りに沿って南へと進み出したレオンガンドの後を追いながら、セツナは、軽く頭痛を覚え始めていた。この頭の痛みが本格的なものになる前になんとかしなければ、大変なことになりそうだった。
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http://www.bemanaged.net「あれ? じゃあ、なんで?」 セツナは、突如として歩き始めたレオンガンドを目で追いながら、小首を傾げた。自由の利かない身分であるはずの王様が、どうして、目の前に居るのだろう。カランの大火で命を落とした人々への慰霊に訪れるにしても、国主ならば、それ相応のやり方なり何なりがあるはずである。ナイキ ジョーダン お忍びで来る必要がない。「この国は――」 レオンガンドが、セツナの目の前を横切った。冷ややかな言葉が、セツナの耳朶に飛び込んでくる。
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