標題:
「事件の時の記憶は残ってないんじゃあ
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作者:
bvypsnbkl
時間:
2014-6-6 10:00
標題:
「事件の時の記憶は残ってないんじゃあ
そして俺は『魔女の庭』を知らない。 っていうか気分悪いな。 なんで表沙汰にならなかった事件のこと知ってんだよ。 雪姫ねぇちゃんと会って気分良かったのに。 あの事件での死者は攫われた子供・犯人含めて27人。 ケガ人はおらず、生き延びた子供が二人。 閉じ込められていて事態を理解できているはずもなく。 無かったことになった事件だ。 家を継いで欲しいと言われなければ、確認調査の書類なんか確認しなかった。 具体的な死者の数が哀しかった。 父さんは嫌いだった。母さんはこわい。 何も知らない。 ただ手を差し出してきた『何も知らない』兄さん達の存在は、『特別』だった。 たぶん、何も知らない相手だから『家族』になれた。「ケンカ、売ってる? おっさん」「いいや、ただの警戒促し」 ふぅん。「まぁいいや。送ってくれてありがとうございました。涼維、起きなよ。着いたよ」 犬猫(てぶくろは雪姫ねぇちゃんのとこ残留)をおろして、涼維を起こす。http://www.hermes.equi-connection.com「もうすぐ四歳だったとはいえ、幼児に変な期待しないでよ」 憶えてるのは潮の香りと血の匂い。 銃声と破砕音と悲鳴。泣き声と罵声。ヴィヴィアンネックレス 飲まれていく小さな指。 涼維が泣いてた。 誰も手を伸ばしてくれる人間(ヒト)はいなかった。 静かになった波の子守唄のさなかにぱてぃが来てくれた。
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彼らは「うまくいけば『魔女の庭』の子供になれる」と言っていた。 それが彼ら自身を指していたのか、生き延びた子供達の道だったのかも定かではない。
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そこには家の子供も混じっていたらしく、『生き延びた』『ケガひとつなく』という眼差しは涼維を怯えさせるのに充分で。
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あまり優しい記憶ではない。 第一、 聞いていたのは『魔女の庭』だったのか『海の魔女』の話だったのかもあやふやだ。
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疲れたのか、車内で涼維が眠りに落ちた。「魔女の庭って知ってる?」 ………… 軽い口調で振られた話題。
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「聞いたことはあるよ」 そこからこぼれた忌児。 そう言ってくる相手もいた。 よくは知らないけど、いい場所ではなさそうだった。
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1/1 知らないから
雪姫ねぇちゃんのところからの帰り道。 風峰さんが車に乗せてくれた。 彼はなぜか雪姫ねぇちゃんに『高校に遊びにおいで。頭数が欲しい!』と妙な物言いをしていた。
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「事件の時の記憶は残ってないんじゃあ?」「思い出した。だけ」「そう。何があったのか正確に?」
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