標題:
僕も、綾も」
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作者:
mytrerafz
時間:
2014-6-5 21:52
標題:
僕も、綾も」
「ん? なにが?」「ワガママ、言っちゃって……」「まだ気にしてるのか。いいんだよ、本当に」「……うん」
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「じゃあ、さ。次……」「……え?」「次、するときは、さ。電気、つけたままで、ということで。……そのときには、少しくらい慣れてるだろう? 僕も、綾も」
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と、目が闇に慣れてきたところで、綾がベッドの上であお向けになっているのに気づいた。 押し倒す場面は一度もシミュレーションしたことがなかったから、正直助かった。実際、本を読んでも大抵は『押し倒した』とあるだけで、女の子のどこをどう押したのかは想像するしかなかったし。
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でも、毎回こうはいかないだろう。きっと、そういうところも含めて、手探りで答えを見つけていかなきゃいけないんだと思う。……もちろん、目の前にいる最愛のパートナー、綾と一緒に。
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しかし、それでもまだ心に引っかかっているのか、綾の表情は晴れない。 だから、ちょっとだけ冗談めかして、けれど、本気以外のなにものでもない言葉を僕は口にした。
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「どういたしまして」と返し、転ばないように気をつけながらベッドへと戻る。まあ、そこは勝手知ったる自分の部屋。危なげなんて微塵もない。
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「……うん、そうだね」 ようやくにっこりと微笑んでくれた。 そう。次、だ。 これは今夜限りのことなんかじゃない。 確かに、いまは夢の中にいるような心地だ。 ふわふわして、まるで現実感なんてない。 それでも、これは間違いなく現実で。 起きたら覚めてしまう夢なんかじゃ、全然なくて。 もちろん、一夜限りの過ちなんかでも、絶対なくて。 だから、これは……そう、通過点だ。 綾がうちに来た日から、僕たちの物語は始まって。 どちらかの死で、この日常が終わりを告げるのだとすれば。 今日という日は、まだまだ一冊の本の前半部分。 ページに換算すれば、せいぜい、二十ページ目くらい、かな。 緊張するのは当たり前。 僕たちは、まだまだ始まったばかりなのだから。http://www.longchamp.equi-connection.com 綾の顔に一筋の光が当たっていた。 見れば、ほんのわずかにカーテンが開いている。そこから静かに差し込む月明かり。ロンシャン「……あの、ごめん、ね……?」 できるだけ体重をかけないように覆いかぶさると同時、なぜか綾が謝ってきた。
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ぱちん、と音がして照明が消えた。数秒の間、闇に視界が閉ざされる。「あり、がと……」 だからだろう、消え入りそうな綾の声も普通に耳に届いてきた。
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