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「こうなると分かっていらっしゃったのでしょう。渡すようにと預かっていました。アップロック宛だそうです」シャルは封筒を受け取りながら目を見開いた。「私がこんなことをするとは信じられませんか？……まぁ仕方のない事ですが。確かに渡しましたから」そう言うとセリシアを軽々と抱き上げて立ち上がり、控室に向かおうとシャルに背を向けた。キャスキッドソン トレイン
シンと静まり返る聖女の間で、それは起きる。ふわりとセリシアの法衣が揺れたかと思うと、まるで糸が切れた人形のようにセリシアが崩れ落ちた。それを慌ててシャルが抱き留め、セリシアの法衣をまさぐる。「セリシアさん！」ルイも驚き、声をあげて駆け寄ろうとした時、シャルは目当てのものを探り当て、ケースから取り出した。グッチ バッグ
「……何があったの？」戻ってきたシャルにルイはおずおずと問いかけた。シャルはただ首を横に振って哀しそうに微笑んだ。「……ただ、髪留めと眼鏡の代わりをしてくれただけ」ただ、そう言って入ってきた大きな扉に向かう。ルイはその背中を追いながら、何もできない自分が歯がゆく、悔しく思っていた。……シャルの事を何も知らない。だから何もできない。たった３か月ちょっと一緒にいただけで、分かった気になっていた自分が恥ずかしく、憎らしかった。シャル達は教会を出てそのまま東門のそばにあるグレイス行の馬車の停留所に向かった。シャルがルイに「家族に挨拶しないで良いのか」と聞けば、ただ首を振り「いいの」としか答えない。そしてただ黙ってついてくるルイをどう扱っていいかわからず、深くため息をついた。東門の馬車停留所はグレイスに向かう人たちでごった返していた。大半が大きな荷物を持ち、中には馬車一台まるまる借り切ってグレイスに向かう者もいる。それはグレイスが騎士学校のある街だけでなく、武器商人や防具商人、鍛冶師や魔法具技師が多くいる街だからだ。その発展は早く、日々新しい技術が開発されている。そんな武器防具や魔法具をいち早く手に入れようと、商人たちがせっせと通っているのだ。シャルは停留所の受付に行き、グレイス行のチケットを二枚購入したのだが、代金を支払った時に受付のふくよかなおばさんが身振り手振りを交えて言った。「なぁに？あんたら駆け落ちかい？いいねぇ若いもんは元気だねぇ。私もそんな時期があったよ。あれはグレイスから来た商人でねぇ。それはもう街の女の子誰もが振り返るほどのハンサムだったさぁ。勿論私もその一人でね、その時は食堂で仕事してたんだけど、そのハンサムがちょくちょく通うようになってね。今でも忘れない、あれはうだるような暑さの日だった。そのハンサムが店にやってくるなり私の手を」「おばちゃん！後ろ閊(つか)えてるから！その話は耳にタコ！！早くチケット出してくれよ！」「そうだそうだ！実は同じ店に働いていた女の子目当てだったとか、そういうオチなのはわかってるから早くチケット！」「そんな悲しい見栄を張らなくていいんだよ……おばちゃん」シャル達の後ろに並んでいる人たちが次々に言うと、おばちゃんは額に青筋を浮かべ、眉尻をぴくぴくさせながら営業スマイルを崩さない。「ごめんよ、長話に付き合わせて。はい、二枚ね」そう言ってチケットを差し出した。シャルが受け取って受付から離れた途端、ガラガラガラガラぴしゃんという音がした。振り返ると受付のシャッターは閉められ、丁寧に「休憩中」の看板が掛けられていて、並んでいた客たちがギャーギャー言っている。文句をいう者半分、謝罪する者半分、といったところで、謝罪する者は常連なんだろう、冷やかした者たちに後で文句を言っていた。あのまま気分よく話させておけば、あとでチケットをまけてくれたのに、と。シャル達は苦笑しながらチケットにかかれた馬車を探す。目当ての馬車は今から１時間後、４番目に出発する馬車だった。http://www.wacker-paintandink.comそうして思いっきり振る。カランカランカランカランカランカランそれは魔法具の小さな鐘で、小ささの割に大きな音が鳴る。そしてその音はどんなに離れていても、セリシアの世話をしているヒトに届くようになっていた。ガタンという音と共に、控室からぞろぞろと黒のマントを目深にかぶり黒の法衣を着た者たちが出てきてシャル達を取り囲む。hermes 時計その内の一人がセリシアに近づき、額や頬、首や手首に触れて何かを考えるように瞳を動かし、スッと手をあげた。その動作で他の者たちは控室に下がっていく。「少しチカラを使い過ぎたのでしょう。一日休めばすぐ回復します。シャル様はすぐに出られますか？」シャルは頷くと、その者はマントの中から一枚の封筒を差し出した。ドルガバ 時計 メンズ
それはまるで一枚の絵画の様に美しく目を奪われる光景で、さながら恋人同士のようなそんな印象を受ける。しばらくそんな状態が続き、ふう、とセリシアが大きく息をして目を開いた時、変化は起きた。セリシアが小さく何かを呟き始めたかと思うと白い瞳が黄金色に輝き、天井から降り注いでいる元素たちがセリシアたちの周りに集まりだす。キャスキッドソン バッグ
第三十七話
「さぁ、じっとして。よく見せて。髪留めと眼鏡が壊れたのはホーリーガーデンフェスの最終日で良かったわね？」ユグ教本部、最奥の『聖女の間』。シャルは無言で頷き、セリシアは両手でシャルの両頬を包むように触れた。そしてシャルの額にセリシアの額をくっつけると、二人して目を閉じる。グッチ 財布 レディース
それは次第に増えていき、渦を作り、球体になってシャルとセリシアをすっぽりと呑み込んだ。その速度は、初めはゆっくり。次第に早くなり、最後には光の塊にしか見えないほどとなる。広い聖女の間にセリシアの小さな呟きだけが異様なほど響く。そうしてその呟きが止まった時、シャル達を取り巻く元素たちもゆっくりと速度を落とし、次第にふわふわと漂う粒子となり、淡くなって最後には消えていく。キッドソン
バタンと扉が閉まる音がして、また聖女の間はシンと静まり返った。シャルは暫く控室のドアを見つめ、ルイはどうしていいか分からずシャルと控室のドアを交互に見比べていた。シャルは深いため息をついて、封筒を鞄に入れ、持っていた鐘をケースに戻す。そしてセリシアが座っていた椅子にそっと置いた。gucci バック
そうして何歩か進んだのち、「忘れていました」と振り返る。「此方側に長く居たいのであれば、これからもあまり無茶をなさいませんよう。それと、あまりセリシア様のお手を煩わせないようお願いいたします」それだけ言って「それでは」と控室に下がって行った。hermes 時計
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